【雑記】ロースト加減でコーヒーの香り成分はどう変化する?

以前スペシャルティコーヒーの香り成分を特定する研究について記事を書きましたが、コーヒーの香りについてはもう少し調べてみたいなと思い、今回別の論文を読んでみました。ローストの程度でどのように香りが変化するかを調べた”Effect of Roasting Level on the Development of Key Aroma-Active Compounds in Coffee“という論文(Molecules 202429(19), 4723)です。

ロースト具合で4段階のサンプルを用意しています。以前紹介した論文と同じく、成分をガスクロマトグラフィーで分離し、質量分析で同定する方法を用いて成分を分析しています。この研究では74種類の化合物を特定していました。ただ、オルファクトメトリーという、実際に分離した後に匂いを嗅ぐ方法で、その中で実際に香りに影響を与えているのは25の成分であることが分かりました。そのうち22の成分はどのローストレベルでも存在していました。

この研究でコーヒーの香り成分として同定された主要な化合物の種類はフランとピラジンでした。以前参考にした論文で書かれていた4-ビニル-2-メトキシフェノールは記載がなく、抽出法の違いによるのか、よくわかりませんでした。4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3(2H)-フラン-3-オンはどのローストレベルでも含まれている、カラメルのようないい香り成分だそうです。2,4-ジヒドロキシ-2,5-ジメチル-3(2H)-フラン-3-オンはいずれのローストにも含まれ、カシスに似た強い匂いを持っているようです。

2,5-ジメチルピラジンはコーヒーの香りとして感じるものらしく、また、エテニルピラジンはトーストの香り、2-エチル-3-メチルピラジンはローストされたナッツの香りらしいですが、これらはローストが中間程度のもので高く、強くローストすると低下してしまっていました。

何となく想像がつきますが、最も強くローストしたものでだけ検出される成分があり、2-(n-プロピル) ピラジン、ぎ酸フルフリル、4-メチルチアゾールなどです。カシス、ゴム、腐敗臭などの不快な匂いに分類されるものでした。

この論文は特に明確な結論は無く、調べた結果が列挙されていましたが、実際複雑だなと思いました。強くローストするとやはり変化してくる成分がけっこうあるようです。実際のコーヒーのローストに活用するなら、どの成分に注目するか考えて戦略を立てる必要がありそうですね。

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